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171日前

シティバンク、3年の準備期間を経て2026年に暗号資産カストディ業務を開始へ

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 シティグループは、約2-3年にわたって準備を進めてきた暗号資産カストディ(保管)サービスを2026年に開始する計画であると、グローバル・パートナーシップおよびイノベーション責任者のビスワルプ・チャタジー氏がCNBCに明かした。

 同行は社内技術と外部パートナーの双方を活用したソリューションを検討しており、チャタジー氏は「今後数四半期以内に、資産運用会社などの顧客に向けて信頼性のあるカストディ・ソリューションを提供できることを目指している」と述べた。

●ウォール街は暗号資産に参入するのか―シティは「イエス」と回答

 同サービスでは、シティが顧客に代わって暗号資産を直接保有する仕組みとなる予定だ。

 チャタジー氏によれば、資産の種類や顧客のニーズに応じて、社内で設計したソリューションを全面的に導入する場合と、外部の軽量なソリューションを活用する場合があるという。

 同行は現時点で、カストディ戦略に関して「何も除外していない」としている。

 この動きは、顧客に暗号資産の購入を認めながらもカストディ業務には踏み込まないとするJPモルガンの姿勢とは対照的だ。

 ただし、JPモルガンも来年には方針転換する可能性に言及している。

 シティのカストディ計画は、2025年を通じて発表されてきた同社のデジタル資産戦略の一環となっている。

 CEO(最高経営責任者)のジェーン・フレイザー氏は7月、シティ独自のステーブルコイン発行の検討に加え、24時間体制の決済ニーズに応える法人向けトークン化預金サービスの開発も進めていると明言していた。

 同行は既に、ニューヨーク、ロンドン、香港間でブロックチェーンを活用したドル送金サービスを24時間運用している。

 チャタジー氏は、ステーブルコインを口座間で送金したり、即時にドルへ転換して支払いに利用するなどのユースケースについて、顧客との議論を進めていると述べた。

●ウォール街の連合、競争激化の中でG7通貨連動型ステーブルコインを検討

 10月初め、ゴールドマン・サックス、ドイツ銀行、バンク・オブ・アメリカ、バンコ・サンタンデール、BNPパリバ、シティグループ、三菱UFJ銀行、TDバンク、UBSの9行が、G7(主要7カ国)通貨に連動する共同裏付け型ステーブルコインの開発計画を発表した。

 このコンソーシアムは、各ユニットを従来の法定通貨と1対1で連動させた準備資産担保型デジタル決済資産を、パブリック・ブロックチェーン上で発行する可能性を探るという。

 連合は、各市場の規制当局と既に連絡を取り合っていることも明らかにした。

 特筆すべきは、2025年初めにJPモルガン、バンク・オブ・アメリカ、シティ、ウェルズ・ファーゴがこの共同ステーブルコイン構想について初期的な協議を行っていたが、10月の発表までは具体化していなかったという点である。

 この分野への参入は急務とされており、既存の発行事業者は、トークンの裏付けとなる国債や現金同等物から多額の利回りを得ており、ビジネスモデルが非常に収益性の高いものとなっている。

 このような普及の加速を踏まえ、ブルームバーグ・インテリジェンスは、ステーブルコインの年間決済総額が2030年までに50兆ドルを超える可能性があると予測している。

 しかし、銀行側の導入姿勢の背景には不安もある。スタンダード・チャータードは今月初め、ステーブルコインの普及によって新興市場の銀行から1兆ドル以上が流出する可能性があると警告した。

 このリスクを受け、イングランド銀行は当初、小口顧客に対して1万-2万ポンドの保有上限を提案していた。

 しかし、批判を受け、現在では流動性確保や決済に大規模な保有が必要な暗号資産取引所などに対しては例外を認める方向で調整が進んでいる。

●シティ、ステーブルコインの機会と預金流出リスクのバランスを模索

 シティがこのような積極的なデジタル資産戦略を進める一方で、自社のアナリストであるロニット・ゴーシュ氏は、ステーブルコインの利払いが1980年代のような預金流出を引き起こす恐れがあると8月に警告していた。

 同氏は、当時、規制によって金利を自由に設定できなかった銀行から、利回りを追求する資金がマネー・マーケット・ファンドへ流れ、7年間で40億ドルから2350億ドルへと急拡大した現象に言及。

 1981年から82年にかけて、銀行からの引き出しが新規預金を320億ドル上回る事態となった。

 アメリカ銀行協会(ABA)やバンク・ポリシー・インスティテュートなどの主要銀行団体は、GENIUS法の「抜け穴」により、暗号資産取引所などが第三者ステーブルコインに利回りを付与できる現状を問題視し、議会に対し法改正を要請している。

 財務省の推計によれば、利回り付きステーブルコインは最大6.6兆ドルの預金流出を引き起こす可能性があり、銀行の貸付や流動性管理の仕組みに根本的な変化をもたらすとされている。

 これに対し、暗号資産業界は強く反発。コインベースの最高法務責任者ポール・グレワル氏は、銀行業界によるロビー活動を「競争を避けるための無制限な試み」と非難した。

 コインベースのリサーチ部門は、銀行にとっての「脅威」論を否定する専用レポートを発表し、過去5年間において、地域銀行の預金流出とステーブルコインの普及には有意な相関が見られなかったと主張している。

 シティのフレイザー氏は、自社のアプローチを「顧客ニーズへの対応」と位置付け、決済や資金調達、流動性管理が「常時即時決済」に移行しつつある中で、「デジタル資産はその進化の次のステージだ」と語った。

 2兆5700億ドルの資産をカストディしているシティにとって、2026年のサービス開始は、ウォール街における暗号資産本格導入の幕開けとなる可能性がある。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/citibank-to-launch-crypto-custody-services-in-2026-after-3-years-of-preparation/

This story originally appeared on cryptonews.com.

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