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3日前

米上院委、CLARITY法案の審議前に100以上の修正案

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 5月14日に上院銀行委員会が開く条文修正・採決手続き(マークアップ)を前に、デジタル資産市場明確化法(CLARITY法案)を巡って100以上の修正案が提出された。異例の規模となっており、同法案が単なる手続き段階ではなく、本格的な駆け引きの局面に入っていることを示している。

 修正案の提出は、法案の文面が固定されたものではなく、対立する利害関係のもとでリアルタイムに書き換えられている状態にあることを意味する。

 ホワイトハウスは大統領署名の目標時期を26年7月4日に設定しており、上院には約7週間しか残されていない。この間に、これまで2度頓挫したマークアップでの対立点を解消する必要がある。

●100以上の修正案が示すCLARITY法案の対立構造

 大量の修正案提出は単なる混乱ではない。法案作成側がどこに調整余地を残し、どこを固めているかを浮き彫りにしている。

 対立が集中しているのは主に4分野だ。ステーブルコインの利回り規制、DeFi(分散型金融)プロトコルの責任範囲、暗号資産ミキサーの扱い、そして上院の拡張された9分野構成に組み込まれた「ブロックチェーン規制明確化法」に関するソフトウェア開発者の免責規定だ。

 民主党のエリザベス・ウォーレン議員、クリス・ヴァン・ホレン議員、アンジェラ・アルソブルックス議員、ラファエル・ウォーノック議員らは、公職者やその家族が在任中にステーブルコインや暗号資産から利益を得ることを禁止する倫理条項の修正案を提出している。あわせて、大手テック企業によるステーブルコイン発行の制限も盛り込まれている。

 ヴァン・ホレン議員の「反汚職」「反宣伝」に関する開示修正案は、消費者保護の観点からの措置と位置付けられている。

 一方、共和党のシンシア・ルミス議員、ビル・ハガティ議員、トム・ティリス議員らは、これを法案潰しにつながりかねない過剰な倫理条項だとみている。規定が広すぎれば、実質的な政策論争の前に民主党側の賛成票を減らす要因になり得るためだ。

 ステーブルコインの利回りを巡る議論は極めて技術的だ。法案が禁じる「ステーブルコインへの利息支払い」に「SOLELY(専ら)」という語を含めるかどうかで、利回り付き商品が合法となるか全面禁止となるかが分かれる。

 これは単なる文言修正ではなく、発行体にとって数十億ドル規模の収益に関わる市場設計そのものの選択となる。

 CLARITY法案の制度設計の中核は、分散型ブロックチェーン上の「デジタル商品」の現物・スポット市場をCFTC(米商品先物取引委員会)が専管し、投資契約や資金調達についてはSEC(米証券取引委員会)が主に監督するという権限分担にある。

 多くの修正案は交渉材料にとどまり、最終的に採用されない可能性が高いとアナリストは指摘する。焦点は修正案の数ではなく、どれが最終的に譲歩として残るかに移っている。

●マークアップ後に残る対立点と上院採決の行方

 銀行委員会が5月14日に民主党側が受け入れ可能な形で倫理条項を通過させれば、対象はトランプ家を含む利益相反問題に絞られ、上院農業委員会の審議へと進む可能性がある。その場合、7月4日を目標とする成立スケジュールは維持される。

 一方で、ウォーレン議員らが倫理条項を譲れない条件とし、共和党側が受け入れなければ、法案は党派対立のまま委員会を通過し、上院での可決に必要な60票の賛成を確保できない可能性が高まる。

 さらに銀行業界はDeFiへの免責規定にも反発している。開発者の責任を限定する仕組みが規制の抜け穴となり、銀行など既存金融機関との間で規制負担の不均衡を生むとの主張だ。

 この主張が中道派民主党に影響すれば、「ブロックチェーン規制明確化法」関連条項は削除または弱体化される可能性があり、暗号資産業界の支持基盤が揺らぐ要因となる。

 下院では78人の民主党議員が賛成し、ステーブルコインの準備金枠組みは従来反対していた議員からも支持を得た。ただし下院での票数は上院には直結しない。鍵となるのは60票ルールであり、その中心に倫理条項を巡る対立がある。

 5月14日の委員会採決は、今回の議会が暗号資産市場の制度設計を前に進められるかどうかを占う最初の重要な局面となる。今後の展開はマークアップの結果と、どの修正案が生き残るかに左右される。

 なお、CLARITY法案は、米下院では25年7月17日に294対134で超党派で可決されている。

(イメージ写真提供:123RF)

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