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96日前

ダリオ氏、ドルの長期的下落を警告―金や人民元に対しアンダーパフォーム―これは暗号資産にとって好材料か?

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 レイ・ダリオ氏は、ドルが2025年に金に対して39%下落したことを受け、構造的な財政圧力と10兆ドル規模の債務繰り延べ(ロールオーバー)が重なり、ドルが持続的な弱体化に直面していると警告した。アナリストらは、貴金属市場の勢いが衰えた後、ビットコイン(BTC)がこうした状況から恩恵を受ける可能性があると指摘している。

 ブリッジウォーター・アソシエイツ創業者のレイ・ダリオ氏は、ドルが金や主要通貨に対して長期的に弱含みの状態が続くと警告した。25年は、ダリオ氏が世界的な資本移動の決定的な転換点と位置付ける年となった。

 ドルは金に対して39%下落した一方、ユーロに対しては12%、スイスフランに対しては13%それぞれ価値を落とした。

「今年最大の注目点であり、最も大きな市場変動を引き起こしたのは、最も弱い法定通貨が最も大きく下落した一方で、最も強く、かつ最も価値が安定した通貨が最も大きく上昇した現象だった」とダリオ氏は25年末の総括で記している。

 同氏の分析によれば、金はドル建てで65%の上昇を記録し、S&P500指数を47%上回るパフォーマンスを示した。

「S&P500指数は金・通貨換算ベースで28%の下落となった」とダリオ氏は指摘。欧州株は米国株を23%、中国株を21%それぞれアウトパフォームし、これはダリオ氏が「米国からの資金・価値・富の大きな流れの変化」と表現する現象を反映している。

●ドル安の背景には、構造的な財政圧力がある

 この通貨下落の要因は、構造的な財政不均衡と金融政策に対する期待の変化にある。

「今後、約10兆ドル規模の債務償還が相次ぐことになる」とダリオ氏は述べ、同時にFRB(米連邦準備制度理事会)が実質金利を引き下げるための金融緩和を進めることで、「特に長期金利ゾーンにおいて、債務資産の魅力が低下している」と警告した。

 同氏は「イールドカーブのさらなるスティープ化(右肩上がり)が起こる可能性が高い」と予測している。

 トランプ政権の政策は、ダリオ氏が「資本主義への全面的な攻撃的賭け」と表現する財政刺激策と規制緩和を通じて、これらの圧力をさらに増幅させている。これらの措置は製造業の活性化を目的としているものの、資本家層が利益の大半を独占するため、富の格差を拡大させる結果となっている。

「お金の価値の問題、言い換えれば購買力の問題は、来年最大の政治問題になるだろう」とダリオ氏は予測し、これが米下院における共和党の敗北要因の一つになるとの見方を示した。

 地政学的な変化がドル安を加速させた。ダリオ氏は「2025年には、多国間主義から単独主義への明確な転換が見られた」と指摘し、これが紛争リスクの高まりを招き、「経済制裁や保護主義、脱グローバル化の動きの増加、さらには金需要の増大につながった」と分析している。

●利回り曲線の急傾斜が示す金融環境の変化

 米債券市場は2026年に入り、2021年以来最も急しゅんな利回り曲線を形成している。2年物と30年物国債の利回り格差は140ベーシスポイントに達し、ビットフィネックス(Bitfinex)のアナリストが最新レポートで指摘している。

 アナリストらはさらに、これは市場が政策金利の引き下げを予想する一方で、インフレ不確実性と大量の国債発行を背景に、長期政府債務保有に対するより高い補償を求めていることを反映していると付け加えた。

 利回り曲線が急傾斜する現象は、短期金利よりも長期金利の上昇が速い場合に発生し、レポートでは「長期金利プレミアムの上昇、持続的なインフレ不確実性、大量の国債発行、そして財政懸念の高まり」といった要因が背景にあると説明されている。

 政策金利の低下は金融緩和の兆候を示すものの、長期金利の高止まりは経済全体の借入コストを引き続き押し上げており、短期金利の緩和効果を部分的に相殺する形となっている。

 株式相場においては、長期割引率の上昇が評価拡大の余地を制限しており、特に将来の収益が遠い成長株にとっては、その影響が顕著となる。

 報告書によると、短期的なキャッシュフローを確保できる企業、価格決定力を有する企業、および有形資産を保有する企業は、この環境下で相対的に良好な業績を示す傾向がある。

 このような状況において、コインベースのブライアン・アームストロングCEO(最高経営責任者)は、ビットコインが米国の政策担当者に対して財政責任を維持するよう建設的な圧力をかける役割を果たすと説明している。

「ビットコインはドルに対するチェック・アンド・バランスの役割を果たしている」と、同氏は最近のテトラグラマトン・ポッドキャストで語った。

 アームストロング氏はさらに、成長に見合わないインフレが進行した場合、ドルの基軸通貨としての地位が危うくなる可能性があると警告している。

●貴金属相場の上昇が暗号資産の上昇を一時的に抑制

 ビットコインとイーサリアム(ETH)の値動きが横ばい傾向にある背景には、地政学的緊張の高まりに伴い資本が貴金属市場に流入している状況がある。

 クリプトニュースの取材に応じたVALRの共同創業者兼CEOであるファルザム・エサニ氏によると、過去1年間で金価格は69%、銀価格は161%それぞれ上昇したという。

 長期保有のビットコイン投資家は7月以降初めて売却を控え、イーサリアムについてはステーク解除待ちリストが解消されるなど、基礎的な指標が改善傾向にある。取引量も歴史的に低い手数料水準で過去最多を記録した。

「ビットコインが現在横ばいで推移している状況は、金と銀が記録的な上昇を見せる“嵐の前の静けさ”に似ており、通常はその後に暗号資産市場全体の上昇が続く」とエサニ氏は分析する。

 同氏は、貴金属市場の勢いが弱まった場合、ビットコインは2026年第1四半期に13万ドル、イーサリアムは4500ドルに達する可能性があると予測している。金と銀がより大幅な調整局面を迎えた場合には、さらに大きな上昇余地が見込まれるという。

 記事執筆時点(日本時間8日5時)のビットコイン価格は9万1000ドル台後半で取引されており、過去24時間で約1.5%の下落となっている。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/dalio-warns-dollar-faces-long-term-decline-will-underperform-gold-and-yuan-is-this-good-for-crypto/

This story originally appeared on cryptonews.com.

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