cryptonews
139日前

中国の資金洗浄ネットワークで暗号資産が主要手段に浮上=英研究所が報告

thumbnail

 中国が長年進めてきた資本流出の抑制策は、中国国内の犯罪ネットワーク自身によって損なわれつつある。これらの組織は国境を越えた資金移動にビットコインなどのデジタル資産を利用するようになっていると、新たな調査が示している。

★主要ポイント

・中国の資金洗浄ネットワークは、厳しい資本規制を迂回するためビットコインやUSDTの利用を拡大している。

・同じネットワークがフェンタニル供給網を含む欧米の犯罪組織にもサービスを提供している。

・研究者は、暗号資産を利用した洗浄が国際化しすぎており、一つの法域だけでは対応できないと警告している。

 英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)の金融・安全保障センター上級研究員キャスリン・ウェストモア氏が発表した論文は、暗号資産が中国の地下金融システムの中心的存在となっていると論じている。

●中国の資金洗浄ネットワーク、資本規制回避へ暗号資産を活用

 ウェストモア氏によると、中国のマネーロンダリング組織は現在、暗号資産を違法資金の受け渡し手段として日常的に使用している。

 「中国のマネーロンダリング組織は暗号資産を業務に組み込みつつあり、犯罪者にビットコインのような仮想通貨やテザー(USDT)といったステーブルコインを汚れた現金と交換で提供している」と同氏は記した。

 こうしたデジタル資産は、厳しい資本規制による制限を迂回しながら、個人が密かに資産を海外へ移すための手段として機能している。

 転換の背景には暗号資産関連犯罪の急増がある。投資家の損失は2025年に23億ドルを超え、2024年には「ロマンス詐欺」で40億ドルが失われたと、チェイナリシスは報告している。

 ウェストモア氏の研究はさらに、中国の洗浄組織が欧米の犯罪活動、特にフェンタニル供給網の重要な金融仲介者になっている実態を明らかにしている。

 報告書によれば、米国で集められた薬物収益はビットコインやUSDTに交換され、海外口座へ送金される。こうした口座は、資金を密かに海外へ移したい中国人富裕層が利用しているという。

 暗号資産の利用は洗浄にとどまらない。フェンタニル前駆体化学品を扱う中国の販売業者の多くがビットコインやUSDTを直接受け付けており、デジタル資産が合成オピオイド取引の決済基盤になっている。

 ブロックチェーン分析企業エリプティックも、中国拠点の化学品サプライヤーに対するオンチェーン支払いを確認しており、これらが世界的なフェンタニル流通網と関連していることを示している。

 暗号資産の決済インフラが国境を越えた洗浄システムに深く組み込まれる中、ウェストモア氏は問題が巨大化しすぎて単独の政府では対応できないと警告する。

●ユーロポール、暗号資産絡みの偽アカウント4900万件を生成した組織を摘発

 10月、ユーロポール(欧州刑事警察機構)は、暗号資産関連プラットフォームの偽プロフィールを含む4900万の偽オンラインアカウントを作成したとして非難される高度なサイバー犯罪組織を摘発した。

 「SIMCARTEL」と名付けられたこの作戦では、2要素認証を突破するための一時的な携帯番号を販売する高度なSIMファーム網が明らかになった。これにより犯罪者は大量の偽身元を生成し、大規模な金融詐欺を実行可能だった。

 ユーロポールによると、この組織のインフラは電子商取引サイトからデジタル銀行、暗号資産取引所まで、さまざまなオンラインサービスのアカウント作成を支えていた。

 こうして作られた偽アカウントは、不正資金の洗浄、フィッシング攻撃、欧州の利用者を狙ったスミッシング詐欺に使用されていた。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/crypto-emerges-as-key-tool-in-chinas-money-laundering-networks-report/

This story originally appeared on cryptonews.com.

提供:ウエルスアドバイザー
お客様は、本ニュースに表示されている情報をお客様自身のためにのみご利用するものとし、第三者への提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、 複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。本ニュースはウエルスアドバイザー社が収集・作成等したものであり、 当社がその内容を保証するものではありません。 また、これらの情報によって生じたいかなる損害についても、当社及びウエルスアドバイザー社は一切の責任を負いません。 本ニュースに表示されている事項は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、勧誘を目的としたものではありません。投資にあたっての最終判断はお客様ご自身でお願いします。
マーケット情報一覧へ戻る