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25日前

暗号資産の資金調達額、前年比50%増―案件数は減少、大型投資に資金集中

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 暗号資産のデータ分析・リサーチ会社メッサーリのデータによると、暗号資産分野の資金調達額(ファンディング)は2026年3月までの12カ月間で255億ドル超と、前年同期比50%増加した。一方で、案件数は46%減少した。

 この乖離は、ベンチャーキャピタル(VC)が投機的な初期段階の投資から後退し、既存のインフラ企業などに資金を集中させる中で、後期段階の大型ラウンドへ資本が集約されていることを示している。

●平均案件規模が過去最高、戦略転換を示唆

 メッサーリのエリック・ターナーCEO(最高経営責任者)によると、過去1年間の暗号資産関連の平均投資額は3400万ドルと、前年同期比272%増加した。

 その一方で、成立した案件数はほぼ半減した。資金調達総額は255億ドルに達したものの、資金の配分はシード段階のスタートアップよりも、既に事業基盤を持つ企業へと大きくシフトしている。

 資金総額が増加する一方で案件数が減少していることは、業界構造の成熟を示唆する。過去のサイクルで一般的だった「とにかく広く投資する」手法は、高い確信度を伴う投資へと置き換わりつつある。

 もっとも、資金調達額自体は強気の印象を与えるが、ターナー氏は、ドラゴンフライ・キャピタルを除き、大手暗号資産系VCの多くが最近新たなファンドを組成していない点も指摘している。

●機関投資家の集中と「質への逃避」

 大型ラウンドへの偏重は、暗号資産市場の構造が従来のフィンテック分野に近づきつつあることを示している。

 現在では後期段階の戦略投資が資金量の主な原動力となっている。大口投資家は投機的なトークンよりも、確立されたネットワークやインフラに価値を見いだしており、主要資産への資金流入がその傾向を裏付けている。

 資本の集中は投資家数の減少にも表れている。アクティブ投資家数は34.5%減の3225に落ち込んだ。これは、強気相場で暗号資産投資に参入したものの、価格変動の激しさを前に撤退した短期資金やクロスオーバーファンドの退出を示している可能性が高い。

 この傾向が続けば、初期段階の創業企業は資金調達の難しさに直面する一方、シリーズBやCの企業は高い評価額を維持する可能性がある。

 2月のデータはその傾向を象徴している。同月の資金調達額7億9500万ドルのうち、わずか3件の調達が44%を占めた。テザーはマーケットプレイス「ホップ」に2億ドルを投資し、ステーブルコイン関連アプリ「ARQ」はセコイア・キャピタル主導のシリーズBで7000万ドルを調達した。

 予測市場も資金流入が目立つ分野だ。ノビグはパンテラ・キャピタル主導のラウンドで7500万ドルを調達した。同分野の活況は、カルシやポリマーケットなどの競合が評価額20億ドル規模で資金調達を検討している状況を想起させる。投資家は用途が不明確なガバナンストークンよりも、収益モデルや規制面の優位性が明確なプラットフォームを重視している。

 もっとも、こうした大型投資があったにもかかわらず、月間の資金調達総額7億9500万ドルは前の30日間から65.3%減少した。月次データの変動の大きさは、総額が少数の大型案件に大きく依存している実態を示している。

●2026年の暗号資産資金調達の見通し―強気相場到来か

 現在の資金調達環境は、業界がIPO(新規上場)の波に備えている可能性を示唆している。パンテラ・キャピタルは、サークルやフィギュアなどが先行する形で、2026年がデジタル資産関連IPOの飛躍の年になると予想している。

 ただし、市場全体の環境も重要な要因となる。株式市場が債券市場のリスクに対して安定を取り戻さなければ、こうした高い企業評価が公開市場で維持されるとは限らない。

 今後は暗号資産系VCと伝統的金融との境界が一段と曖昧になる可能性が高い。JPモルガンのような銀行やセコイアのような大手投資会社が、これまで2017-2022年の資金調達を主導してきた暗号資産ネイティブ企業に代わり、投資の場に本格的に参入しつつある。

(イメージ写真提供:123RF)

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This story originally appeared on cryptonews.com.

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