2026/05/13

ショートカバーで出尽くし?高値更新はしばらくお預けか?

今月に入り、株式市場も暗号資産市場も軒並み上昇を見せています。
まるでイラン戦争が終結に向かうとの期待を先取りして織り込んだかのような値動きです。

半導体株も好業績を背景に史上最高値を連日更新するような状況が続いており、そのリスクオンの流れが暗号資産市場にも波及しています。BTCやETHだけでなく、時価総額の低いアルトコインにまで買いが広がってきました。

ただし、個人的にはこの上昇をやや冷ややかに見ています。現時点では本格的な上昇トレンド再開というよりも、ショートカバーを伴った一時的な上昇、いわば「束の間の反発」と位置付けています。

暗号資産市場全体を見回しても、現物買いが上昇をけん引した一方で、デリバティブ市場ではショートポジションが一掃された形となっております。
つまり、上昇の燃料となっていたショートカバーがすでにかなり消化されている可能性が高いと考えています。

以下は、CXRエンジニアリング社が提供する流動性ヒートマップを参照し、主要海外取引所における推計清算水準を円建てで表示したものです。

流動性ヒートマップ

出所:CXRエンジニアリング株式会社 流動性ヒートマップ

BTC/JPYは、1245万〜1250万円を割り込むと、海外取引所で多くの清算が蓄積されている価格帯に入ります。

この価格帯には、300億円程度のストップロスが確認できており、わずか25万円、率にして2%程度の下落で、累計1422億円規模の売り注文が強制的に執行される水準に到達する可能性があります。

チャート上でも、この1245万〜1250万円付近はいわゆるネックラインにあたります。ここを明確に割り込むと、ダブルトップ完成の形となり、トレンド転換の合図として意識されやすくなるでしょう。

今週後半にかけて、この水準を維持できるかどうかは非常に重要です。仮に割り込む展開となれば、短期的なロングポジションの投げ売りや、追加のショート参入を誘発しやすくなると考えます。



■200日線が上値抵抗線となっている

【採用テクニカル】
• 移動平均線(SMA):30(赤)、90(青)、200(橙)
• MACD:12,26,9

BTC/JPY日足

出所:SBIVCトレード(PCブラウザ・トレーダーモード)

BTC/JPY日足チャート分析です。

現在のBTC/JPYは、SMA200(橙)に上値を阻まれる一方、下値はSMA30(赤)でサポートされる展開となっています。上値抵抗線と下値支持線に挟まれ、徐々に値幅が収縮してきている印象です。

2月初旬にボトムをつけて以降、当時の相場は総悲観に近い状態でした。しかし、その後は徐々に下値と上値を切り上げ、気づけば反発局面も約3ヶ月が経過しようとしています。

ただし、過去の4年サイクルにおける後退局面では、200日移動平均線がたびたびレジスタンスとして機能し、その後に反落していったケースが見られます。そういった意味では、今週から来週にかけては非常に重要なプライス局面に入っていると判断しておくべきでしょう。

また、MACDはすでにダイバージェンスを示しており、テクニカル的には反落しやすい条件が整いつつあります。価格は高値圏を維持しているものの、モメンタムは徐々に鈍化しており、上昇の勢いにはやや陰りが見え始めています。



■1245万〜1250万円のネックライン割れを狙う

BTC/JPY4時間足

出所:SBIVCトレード(PCブラウザ・トレーダーモード)

BTC/JPY4時間足チャート分析です。

4時間足では、SMA30(赤)にサポートされ、直近ではSMA90(青)にも支えられながら、順調に推移しているように見えます。表面的にはまだ上昇トレンドが継続しているようにも見えますが、高値更新のペースは明らかに鈍化してきました。

加えて、冒頭で解説した流動性ヒートマップを見る限り、上方向にショートカバーを誘発しそうな大きな買い注文はすでに目立たなくなっています。
つまり、これまで上昇の燃料となっていたショートポジションの買い戻しは、すでに相当程度消化された可能性があります。

そのため、ここからは上昇継続よりも、反落条件のほうが整っていると考えます。

個人的には、引き続き戻り売りトレードを維持したい局面です。目先の注目ポイントは、ネックラインである1245万〜1250万円付近です。この水準にはSMA90も推移しており、テクニカル的にも重要な節目となります。
仮にここを割り込むと、ダブルトップ完成に加え、移動平均線のサポート割れも重なるため、下方向への値動きが一気に加速する可能性があります。



■ETHは移動平均線が下落トレンド開始を示唆

ETH/JPY4時間足

出所:SBIVCトレード(PCブラウザ・トレーダーモード)

ETH/JPY4時間足チャートです。

ETHは、BTCよりも一足早くトップアウトした印象があります。現在は上昇トレンドライン付近に差し掛かっており、反落が意識されやすい局面です。

すでにSMA30、SMA90、SMA200を割り込んでおり、短期・中期・長期の移動平均線が下方向に並びつつあります。これは典型的なトレンド転換初期に見られる値動きです。

週後半にかけて意識される上昇トレンドラインの位置は、35万円台前半になります。仮にこの水準を明確に割り込むと、週末から週明けにかけて、やや強めの下落トレンドに入る可能性も出てきたと考えます。

個人的には、下落トレンド開始を意識したショートポジションを徐々に蓄積している局面です。目先は35万円台前半までの下押しを想定しつつ、週末以降にやってくる可能性がある下落トレンドに備えた売りポジション構築フェーズとして意識しておきたいところです。

BTCよりもETHのほうが先行して弱含んでいる点は、アルトコイン市場全体のセンチメントを測るうえでも重要です。ETHが崩れる場合、リスク許容度の低下が他のアルトコインにも波及する可能性があります。



■アルトコインの上昇は著しい

SOL/JPY4時間足

出所:SBIVCトレード(PCブラウザ・トレーダーモード)

SOL/JPY4時間足チャート分析です。

アルトコインには強い反発が見られており、SOLもその代表格の一つです。今週は1万5500円付近でいったん高値をつけている状況ですが、まだSMA30(赤)よりも上で推移しているため、もう一段の再上昇余地は残されています。

アルトコインは、短期的にオーバーシュートしやすい傾向があります。特にSOLのように流動性が厚く、個人投資家の人気も高い銘柄は、相場全体がリスクオンに傾くと想定以上に上値を伸ばすことがあります。
そのため、現時点でSOLを積極的に戻り売りするのは見送りたいと考えています。仮に売りで入るとしても、1万5500円以上、できれば1万6000円付近までの上昇を待ちたいところです。

現在価格からさらに10%程度の上昇余地も想定しておく必要があり、現段階では分析が難しい状況です。MACDで明確なダイバージェンスが確認されてからエントリーする程度で十分かもしれません。

SOLの本格的なトレードは来週以降と考え、今週はBTCとETHを中心に売りトレードを組み立てる方針です。



■全体まとめ

  • 今月に入り、株式市場・暗号資産市場ともにリスクオン色が強まりつつも、暗号資産市場の上昇はショートカバー主導の側面が強く、上昇の燃料はすでに消化されつつある可能性がある。
  • BTC/JPYは1245万〜1250万円付近が重要なネックラインとなっており、ここを割り込むとダブルトップ完成が意識される。
  • 流動性ヒートマップ上では、同水準を下回ると大規模なストップロスが発動しやすく、下落が加速する可能性がある。
  • 日足ではSMA200が上値抵抗線として機能しており、過去の4年サイクル後退局面と似た形になりつつある。
  • ETHはBTCよりも先行して弱含んでおり、SMA30・90・200を割り込むなど、トレンド転換初期の形が見られる。
  • SOLなどのアルトコインはまだ上昇余地が残っており、戻り売りは慎重に見極めたい。



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