Market Report

マーケット情報

2024/10/17

ビットコインマーケットレポート (10月17日~10月23日)



ビットコインは10/11以降急騰し、10/16に約2か月半ぶりに1,000万円を超えた。10/11に中国の財務省が景気刺激策を発表し金融市場全体が上昇したことに加え、10/14にオーストラリアで同国初のイーサリアム現物ETFの取引が開始。上昇基調のなか、米民主党の大統領候補であるハリス副大統領が資産保護の規制を策定すると約束、共和党のトランプ大統領候補が暗号資産業界を支持する中、民主党のハリス氏も支持を表明したことで、11月の大統領選挙の結果に問わず暗号資産業界がポジティブであることが示唆され、さらに上昇が加速した。執筆時点では6万7千ドル(1,010万円)付近

足もと
ビットコイン成行注文のアクティブOI(未決済建玉)はかなり高い水準で推移しており、ボラティリティ上昇の可能性が高まっている。(下画像赤枠)加えて、ファンディングレートをみると、ロングのポジション比率が高まっていることが見受けられ、上昇の場合は一旦調整を経て動くと思われる。





外部環境
直近でビットコインは、半導体指数(SOX)と相関をやや強めている。(SOX+0.61)。




9月初旬以降から、米国債利回りが、順イールド(米10年債利回りが2年債利回りを上回る状況)となっている。(上画像青枠)加えて利回り自体も上昇している。(上画像赤枠)これはステーブルコインの担保の中心となっているソブリン債(各国政府や政府機関が発行する債券)の利ザヤが増加しやすい状態であり、ステーブルコイン発行体の発行量増加を促している。クリプト市場にステーブルコインの流通量が増加することにより、ビットコインが上昇しやすくなる素地が整いつつある。


現物市場
成行売買動向を見ると、売り買いともに拮抗した状態が見受けられる。(下画像赤枠)現物市場に比較し、デリバティブ市場の買いが上回る傾向となっている。(下画像青枠)





デリバティブ市場
取引価格が現物価格よりも全体的低い水準にあり、やや売られすぎの状態がみられる。





先物市場
CMEを見ると、価格差益を狙う「Leveraged Funds」にショートポジションの割合を直近に増やしておりショートカバー(売建玉の買戻し)が発生する可能性がある。(下画像赤枠)





オプション市場
現物渡しで取引されるオプション市場では、現在価格(6万8千ドル)より高い価格帯に建玉が集まっている。10万ドルが最大建玉(下画像赤枠)となっており、さらにPCRが低い状態が続いており(下画像青枠内黄線)、市場参加者の投資心理が強気を維持していると捉えることができる。


オンチェーン環境
ハッシュレートは過去最高値近くの水準であり、次回難易度予想は+0.38%の小幅な難化予想。





直近のクリプト指標
■10月17日
  ECB政策金利 公表
  米小売売上高 (9月) 公表
  米フィラデルフィア連銀景況指数 公表
■10月18日
  中国実質GDP第三四半期 公表
■10月23日
  米中古住宅販売件数(9月) 公表

総括
11月の大統領選挙では、ハリス大統領候補、トランプ大統領候補とも暗号資産に対して融和的な態度を打ち出していることから安心感が広がり買いが広がった。オプション市場などから市場参加者の強気の姿勢が見受けられる。今後は、トランプ大統領候補は特に暗号資産に対して融和的な態度をとっていることから、大統領選挙の演説・政策発表を通じて暗号資産市場がさらに活気づく可能性がある。加えて、11月6日・7日に開催されるFOMCの結果とその議事録に緩和的な内容が示唆されているかどうかが、ビットコインの価格に対し大きな影響をうけると考えられる。

画像出典:Tainoko Lab

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