2022/11/29
底値圏でのレンジでの動き
先週のハイライト先週の動き
先週前半、BTCは15,500ドル近辺、ETHは1,075ドル近辺のサポート水準を維持したのち、ショートカバーの動きによってそれぞれ16,500ドル台と1,200ドル台を回復。その後は取引高とボラティリティが低下するなか、同水準で推移の続いたが、日曜日に大量のETHがいくつかの取引所へ移動されたとのうわさが流れると、ETHおよびBTCは売り圧力が強まった。一方、LTCとDOGEはそれぞれ30%近い上昇を見せており、SNSで好意的なコメントが相次いだことや、流動性が薄いことなどが理由となっているものの、暗号資産市場全体の回復のきっかけとなるとは考えにくい。
フローデータをみると、全体的に売りバイアスがかかっている。顧客別でみるとファンド系を除くすべてのセグメントが売り越しとなっている。地域別でみると、アジア圏は買いとなっている以外、米国圏は若干の売り越し、欧州・中東圏は大きく売り越しとなっている。コイン別でみると、全般的に売り傾向が強くLTC、LINK、BNBで顕著となっている。一方でBTCとETHは売り買いが拮抗している。
暗号資産先物市場ではFTX破綻後に構築されたショートポジションが週明けに清算されたことで、対ドルベーシスは通常の水準に戻り、12月物のBTC/USDTは0%~1%のディスカウント、ETH/USDTは1%~2%のディスカウント程度となっている。ただし、CMEの先物は先週と同様で伝統的なプレイヤーがCMEに集中していることで乱高下が続いている。
暗号資産オプション市場は今週はスポットの値動きに落ち着きが見られるなかで、ボラティリティは低下、リスクリバーサルは下高の傾きが緩んできている。BTCのATMボラティリティは1週間で15%程度低下している。また、最近は長期物の取引高が低下しており、長期の戦略を取るプレイヤーが減少しているようだ。
今週の展望
今週のマクロイベントとして、欧州各国のCPI、米ベージュブック、パウエル米FRB議長の講演、米雇用統計などが予定されている。一方で、直近の暗号資産市場は、伝統的なアセットクラスとの相関性は低くなっている。暗号資産市場のボラティリティや先物ベーシスが低下しているなか、今週の経済指標の結果を受けて再び相関性が強まるかどうかが注目される。また、BTCの15,500近辺、ETHの1,075ドル近辺は引き続き重要なサポートラインとして意識されている。
(提供:SBIリクイディティ・マーケット。本レポートはグローバルで大きな取引シェアを持つ暗号資産マーケットメイカーのB2C2社のデータを元に、SBIリクイディティ・マーケットが作成しています。)
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