Market Report

マーケット情報・チャート

2022/12/07

大きなニュース等ない中、じり上げの動き

先週のハイライト
  • メジャーな暗号資産は閑散な中じり高
  • LTCは過去最高のハッシュレートを受けてアウトパフォーム
  • スポットの上昇を受けて先物ベーシスは縮小
  • BTCのヒストリカル・ボラティリティが20%台となったことを受け、オプション市場のインプライド・ボラティリティも低下
  • 今週発表の中国の貿易収支、来週の米FOMCや米CPIに注目


  • 先週の動き
    主要な暗号資産は特に目立ったニュースの無いなかFTX破綻に関連する信用不安への注目が薄らぎ、経済指標や中国のゼロコロナ政策の緩和を受けて株式市場が堅調となったことを反映してじり高となり、FTX破綻後の高値を更新した。BTCは16,000ドル台から一時17,400ドル台へ上昇し、同様にETHも1,160ドル台から一時1,300ドル台を回復した。LTCはハッシュレートが過去最高を記録したことを受けてアウトパフォームしており、78ドル台から84ドル台まで上昇した。

    フローデータによると、BTCが売り買い拮抗していたのを除くと、多くのコインで売り基調となっていた。地域別でみると、アジア圏が買い手となっている中、欧州・中東圏、米国圏は売り手となっている。

    暗号資産先物市場ではスポット上昇を受けて、暗号資産の対ドルベーシスは引き続き縮小し、BTCの12月限月の対ドルベーシスは年率1.0%のディスカウントから0.5%のプレミアムに上昇している。

    暗号資産オプション市場ではインプライド・ボラティリティは引き続き軟調に推移しており、BTCの12月限月(12月30日)のATMは47%~48%程度となっている。過去数日間のBTCのヒストリカル・ボラティリティが25%~30%となっていることを考慮すると高く値付けされているようにも見えるが、米CPIや米FOMCを含まない12月9日行使期日のATMが40%程度となり、両方のイベントを含む12月16日行使期日のATMが49%となっていることを踏まえると、一定のイベントプレミアムが米CPIや米FOMCに乗っていることが伺える。

    来週の展望
    マクロ的なニュースが乏しく、来週の米FOMCや米CPIを控えていることから、それまでは引き続き静かな動きとなる可能性が高い。そのようなスポット環境下でオプション売りを行うことでプレミアムを得ることができる可能性は高いが、足元のように低いボラティリティを更に売っていくには勇気が必要だろう。

    一方で株式市場は上値抵抗線に近づいており、また来週に重要なイベントを控えていることから、暗号資産市場も今週末あたりから動きが出る可能性も残されている。








    (提供:SBIリクイディティ・マーケット。本レポートはグローバルで大きな取引シェアを持つ暗号資産マーケットメイカーのB2C2社のデータを元に、SBIリクイディティ・マーケットが作成しています。)
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