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マーケット情報

2024/07/31

暗号資産業界は材料出し尽くし!?夏枯れ相場で上値が重い展開か?


先週後半は米国で開催されたビットコインカンファレンス2024が閉幕し、トランプ大統領候補の演説も大いに盛り上がったようです。

内容的にはBTCを米国の国家戦略の産業として用い、BTCのマイニング産業に力を入れ、SECのゲンスラー委員長を解任するといった発言が飛び出しました。会場は大いに盛り上がったようです。
参考資料:https://coinpost.jp/?p=547866

暗号資産業界の支持を取りに行った行為ですが、現在、米国では5,000万人ほどが暗号資産を保有していると言われております。
さらに今年ビットコインETFの誕生により、間接的に保有している投資家もさらに増えたことでしょう。本件で有権者の20-25%の支持を獲得したと言って過言ではありません。
共和党は見事な選挙戦略だったようです。暗号資産投資家はおおよそトランプ大統領に票を入れると思われます。よってBTCにとってはこの上ない追い風内容だったように考えます。
これらを受けて週明けは1,080万円付近まで上値を伸ばしました。
ドル建てでも一時7万ドル前後までの回復を実現しました。

■外部要因でBTC/JPYに限っては下落しやすいか?

【採用テクニカル】
移動平均線(SMA):30(赤),90(青),200 (橙)
MACD:12,26,9

出所:SBIVCトレード PCブラウザ トレーダーモード


BTC/JPY日足分析から始めましょう。
今月のトランプ大統領候補銃撃事件から大幅上昇となり、930万円→1,080万円と15%前後の上昇となったわけですが、現在は1,000-1,010万円の反落気味です。
理由としては、ドル円レートが今月162円手前から152円台まで下落したことが大きな要因の一つでしょう。落差としては6%強ですので、60万円程度のインパクトがあります。
ビットコインカンファレンスのセルザファクト的な値動きが出たのは理解できますが、さらにドル円の下落が拍車をかけて、目先7%程度の下落につながったと考えます。
またエヌビディアをはじめ、米株の中でもAI銘柄の下落が顕著です。
暗号資産も見方によってはハイテク系資産に含まれますから、連れ安の値動きを今月はよくしているように感じます。
これらの要因が重なり上値を重くしているのではないでしょうか。
これから米国は利下げに向かいますが、実体経済も徐々に悪化していることから金融緩和もそうですが、先に株が崩れることがあるかもしれません。
その場合ビットコインETFへも資金流入が限られてしまいますので、上昇に期待が持ちにくいでしょう。
前置きが長くなりましたが、これらのファンダメンタルズも加味しますと、夏枯れ相場的な値動き予想が無難でしょうか。
日足は再びSMA200方向に向かって調整すると予想します。
あるいは並行チャネルの下限ライン方向へ再度調整の値動きを見せると考えます。
8月は円高相場も重なって900万円前半に一度は下落する局面があると予想し、戻り売り戦略でいきたいと考えます。

■4時間足は上昇トレンドライン5点サポート付近へ

出所:SBIVCトレード PCブラウザ トレーダーモード


4時間足に時間軸を落とします。
上昇トレンドラインにタッチしました。
ここを割り込むと円建てでは下落トレンド開始となってしまいそうです。過去に4回もサポートされているラインで今回が5回目です。そろそろ割り込みそうです。
やや反発したところを戻り売でしょうか?
SMA90をバックに戻り売りを狙っていくと良さそうです。
価格的には週後半に1,020-1,030万円からの売りがテクニカル的にはワークすると考えて指し値注文などで対応していこうと思います。
目先ポジティブ材料出し尽くし、円高要因は多め、米株が不安定というところを考えますと、BTC/USDはあまり下落しないかもしれませんが、BTC/JPYの下落率には一定の警戒感を強めておいて損はないように感じます。
戻り売りを基本に今週後半は目線を切り替えております。

■SMA200を本格的に割り込むか?

出所:SBIVCトレード PCブラウザ トレーダーモード


続いてETH/JPY日足分析です。
同じく並行チャネルレンジ内で推移しております。ETFも上場して同じく出し尽くし感があるのでしょう。
前述通り夏枯れ相場ということもあり資金流入はあまり期待できなさそうです。
ETFの買いも控えられることからBTC同様にしばらくレンジ相場ではないかと予想します。現在はSMA200にサポートされている状況ですが、これらを下抜けるのではればさらなる調整に警戒が必要だと考えます。
MACDも0.00ライン以上に回復が見られておりませんのでテクニカル的には徐々に下方向への条件が整いつつあります。
3月以降、マーケットに資金が入ってきてはいると思いますが、それを消化してしまうほどの売りが出てきていることも事実です。この事実に受け止めて資本フローを考えなければなりません。
8−9月の金融市場は相場の長い歴史上、悪材料が出やすいシーズンです。ETHも同じく売り目線を堅持してトレードしていく方が無難だと考えます。
まとめますと、筆者は今週から再びベア目線に切り替えて、戻り売りトレードを実行していく予定です、ご参考まで。



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