Market Report

マーケット情報・チャート

2024/02/20

暗号資産週間レポート(2024.2.11 – 2024.2.17)
BTC2年3か月ぶりに円建てで史上最高値を更新!!!

【2/11~2/17週のサマリー】
・ビットコイン、2年3か月ぶりに円建てで史上最高値を更新
・ビットコインの半減期まで残り10,000ブロック(1ブロックを約10分として69日)を切る
・米Genesisに対し保有ビットコインETF(GBTC、約2,000億円)の段階的売却を米裁判所承認

【暗号資産市場概況】
2/11~2/17週におけるBTC/JPYの週足終値は前週比+8.97%の7,789,600円、ETH/JPYの週足終値は同+11.92%の418,960円であった。(※終値は2/17の当社現物EOD[2/18 6:59:59]レートMid値)。
前週の暗号資産市場は、Grayscaleのビットコイン現物ETF(GBTC)からの資金流出鈍化傾向が続く環境を背景に、ETF市場への資金純流入額を増加させながら、価格上昇基調となった。米大手金融商品取引所であるCME(シカゴ・マーカンタイル取引所)での建玉(ドル建て)が過去最大を更新したことからも、従来の暗号資産市場だけでなく既存金融における市場参加者からの関心も集めていることがうかがえる(下図。なおBTC建てでの建玉最大値はETF承認時)。
週前半には米CPIが予想対比上振れたことから、現在金利の長期化が意識され、暗号資産市場を含むリスクアセットは下落した。一方で、米ビットコイン現物ETFへの資金純流入は取引開始初日を上回り過去最大を記録。ビットコインの半減期まで約60日前後となり供給源が意識されていること(半減期については詳細なレポート(https://www.neweconomy.jp/features/sbitips/370958)を執筆したため参照されたい)や、旧正月期間でありアジア圏での需要が強かったことも相まって、ビットコインは週央に2021年12月以来となる2年3か月ぶりの高値(円建てでは史上最高値)を更新した。
週後半には、米1月PPI(生産者物価指数)が予想対比上振れ、CPI発表時と同様に暗号資産価格は下落。週末の米国時間からピボットし、PPI発表後の抵抗帯となっている$52,000付近で週を終えた。
次週以降は、引き続きETFのフロー(純流入が減速する可能性も含め)に加え、FOMC議事録(前回会合における各委員の意見や議論・依拠している経済データ等が明らかになる)の内容を踏まえ、CPI・PPIを経て市場の主要テーマとなっているインフレの動向に注目したい。また、S&P500の構成比率3位(約4.24%)を誇るNVIDIA(NVDA)の決算という一大イベントも控えている。仮に米国株式市場が大きく売り込まれた場合は、暗号資産市場にも影響が出ることが想定されるため、決算内容には注意されたい。
また、Avalanche(AVAX)のトークンアンロックも控えている。数量は954万枚(約572億円相当)で、現在供給量の約2.6%程度に相当する。直近の過去アンロックイベントでは大幅な価格下落は観察されなかったが、現在のAVAXは2022年5月以来の高値圏であり、一定の価格圧力が発生する可能性がある。


[BTC/USD週間チャート(30分足)]


(TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)



[BTC/JPY週間チャート(30分足)]


(TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)



[Grayscaleのビットコイン現物ETF(GBTC)のネットフロー推移]


(SoSoValue 提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成)



[ビットコイン現物 ETF のネットフローと運用資産残高合計]


(緑・赤のバーがネットフロー / 白線が運用資産残高合計)
(SoSoValue提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成)


[CMEのビットコイン先物 建玉(直近1年間 / ドル建て)]


(Velodata提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成)



【2/11~2/17週の主な出来事】



【2/18~2/24週の主な予定】




【今週のひとこと】現在の高値水準からみるトレードの考え方~縦軸(価格)と横軸(時間)の視点~
円建てで史上最高値を更新したビットコインや、同じく最高値付近に差し掛かっている日経平均株価指数をはじめ、高値水準の銘柄が多くなっていることから、お客様から「高くて買えない」との声を頂戴することもあります。
そういった際に心掛けていただきたいのが縦軸(価格)と横軸(日柄)の視点です。縦軸は値動きのことであり、横軸は時間の経過や季節性を表します。縦軸については意識される方がほとんどですが、横軸はおろそかにされがちです。
例えば縦軸(利幅)にこだわるあまり、特定の暗号資産を保有し続け、他通貨の売買チャンスを逃してしまうケースや、例年暗号資産が弱い時期に購入し、価格調整に直面してしまうケースなどが考えられます。
資金管理を行う際は縦軸だけなく、横軸(いつ・いつまで)の視点を意識することが大切です。ぜひ、みなさんの判断軸の一つに、横軸の概念を加えてみるのはいかがでしょうか。

SBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成


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