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NFT取引の税金がわからない人へ|確定申告で整理すべき対象と考え方を解説

NFT取引の税金がわからない人へ|確定申告で整理すべき対象と考え方を解説

公開日: 2026年3月11日

最終更新日: 2026年3月11日

▼目次



    暗号資産取引の確定申告についてはある程度理解していても、NFTが絡むと「何を追加で整理すべきなのか」が分かりにくくなることがあります。
     
    暗号資産の売買であれば、基本的には取得価格と売却価格をもとに損益を整理します。しかしNFT取引が加わると、NFTそのものをいつ取得し、何を使って購入し、いつ・どのように手放したのかまで確認する必要があります。
     
    たとえば、NFTを暗号資産で購入したときは、そのNFTの購入履歴だけでなく、支払いに使った暗号資産の情報も関係してきます。保有していた暗号資産を支払いに使用することになるため、その暗号資産については取得価格と使用時の価格の差によって、譲渡として所得計算が必要になる可能性があります。
     
    またNFTを売却した際には、「いくらで売れたか」だけでなく、「そのNFTをいくらで取得したのか」「売却時にどのような費用がかかったのか」も整理しなければなりません。
     
    このようにNFT取引をしていると、暗号資産取引だけの場合よりも整理すべき情報が増えやすくなります。
     
    この記事では、NFTがあることで確定申告に関係してくるポイントを整理しながら、購入時・売却時・そのほか整理が難しくなりやすいケースごとに確認しておきたい内容を解説します。

    NFT取引で税金が発生するのはどんなとき?

    NFT取引において税金の対象となる所得が発生するタイミングとして、もっとも一般的なのは購入したNFTを売却して利益が出た場合です。この場合は、売却価格と取得価格の差額が利益となり、所得として扱われる可能性があります。
     
    また、NFTは売買以外の形で取得することもあります。例えば、クリエイター活動やプロジェクト参加の対価としてNFTを受け取るケースなどです。このような場合は、そのNFTを受け取った時点の価値が所得として扱われることがあります。
     
    NFT取引で税金が関係する可能性がある代表的なケースとしては、次のようなものがあります。
     
    ・購入したNFTを売却して利益が出た場合
    ・NFTを報酬や対価として受け取った場合
    ・自分で作成したNFTを販売した場合
     
    一方で、NFTを購入しただけの段階では、通常はその時点で利益が確定しているわけではありません。そのため、購入しただけで直ちに税金が発生するわけではない点も押さえておく必要があります。
     
    ただし、NFT取引では売却時に取得費を確認する必要があるため、購入した時点から取引内容を記録しておくことが重要になります。

    確定申告で整理すべきNFTに関する取引は?

    暗号資産だけの取引であれば、確定申告に向けて整理する内容は比較的シンプルです。主に確認するのは、いつ取得し、いくらで取得し、いつ売却し、いくらで売却したかといった売買履歴です。
     
    しかしNFT取引の場合は、暗号資産の履歴だけを見ていても、どのNFTを取得した取引なのかが分かりにくくなることがあります。例えば、NFTを購入した場合は暗号資産の送金として履歴に残るため、その取引がNFT購入だったのか、単なる送金だったのかを後から判断しにくくなることがあります。
     
    そのため、NFT取引がある場合は、次のようなNFTに関係する取引をあらかじめ切り出して整理しておくことが重要になります。
     
    ・NFTを購入した取引
    ・NFTを売却した取引
    ・NFTを報酬として受け取った取引
    ・NFTを無償で移転した取引
     
    暗号資産取引との大きな違いは、NFTごとに取得と譲渡の流れを追う必要があることです。そのため、NFT取引がある場合は、どのNFTをいつ取得し、いつ手放したのかを確認できる状態にしておくことが大切です。

    NFTを購入したときに整理しておきたい税務上のポイント

    NFTを購入しただけで、すぐに利益が発生するわけではありませんが、売却する可能性がある以上、購入時の情報は取得費を確認するための資料になります。
     
    暗号資産の場合は同じ銘柄をまとめて管理できますが、NFTは一点ごとに別の資産であるため、個別に管理しておく必要があります。
     
    NFTを買った時点で、少なくとも次の情報は基本的に残しておきましょう。
     
    ・購入日時
    ・NFTの識別情報(コレクション・トークンIDなど)
    ・購入価格
    ・支払いに使った暗号資産
    ・ガス代やマーケットプレイス手数料
    ・トランザクションハッシュ
     
    さらに、NFTは購入してすぐに売却するとは限らず、年をまたいで保有するケースもあります。将来売却した際には取得費を確認する必要があるため、取得価格や取引履歴が後から確認できる状態にしておくことが大切です。
     
    また、NFTの取引はマーケットプレイスで行うことも多いと思われますが、サービスの閉鎖や、海外のマーケットプレイスではアクセス不可となる可能性もあるため、取引履歴の確認をサービス任せにするのではなく、スクリーンショットやトランザクションハッシュなど、取引内容を確認できる情報を自分でも保存しておくと安心です。
     
    もし個人間でNFTを取引する場合でも、取引日時や金額、支払い通貨、トランザクションハッシュなどの情報を残しておくことで、後から取引内容を確認しやすくなります。マーケットプレイスの履歴が残らない分、通常の取引以上に証跡を残しておくことが大切になります。

    NFTを売却・譲渡したときに整理すべきポイント

    NFTの売却時は、単に売却価格を見るだけではなく、次のように計算して利益を整理します。
     
    売却額 − 取得費 − 売却時にかかった費用
     
    NFTは一点ごとに資産が分かれているため、「どの購入がどの売却に対応するのか」を確認できる状態にしておくことが重要です。特に複数のNFTを取引している場合は、購入履歴と売却履歴の対応関係を整理しておく必要があります。
     
    また、売却代金は日本円で受け取るとは限らず、暗号資産で受け取るケースもあります。そのため、売却時には何を受け取ったのかもあわせて確認しておくことが大切です。

    NFT取引がある場合に、整理が難しくなりやすいケース

     
    NFT取引は、購入と売却だけであれば比較的整理しやすいものの、取引の形が増えると複雑になりやすくなります。
     
    例えば、NFTを報酬として受け取った場合や、自分で作成したNFTを販売している場合などは、通常の売買とは性質が異なります。また、複数のウォレットや海外マーケットプレイスを利用している場合も、取引履歴が分散しやすくなります。
     
    このようなケースでは、いきなり損益計算を行うよりも、まず取引の種類ごとに整理することが重要です。購入・売却・報酬受取などに分けて取引を把握することで、全体の流れを整理しやすくなります。

    まとめ

    NFT取引の税務処理は、基本的な考え方は通常の暗号資産取引で生じるものと近いものの、取引の内容によっては譲渡所得など他の所得とみなされることもあるため、異なる点もいくつかあります。また、NFTは一点ごとの資産として扱う必要があるため、整理すべき取引履歴は暗号資産よりも少し複雑になります。
     
    NFT取引がある場合は、暗号資産の売買履歴だけを見るのではなく、NFTごとの取得と譲渡の流れを追える状態にしておくことが重要です。
     
    そのためには、購入時の情報を残しておくこと、売却時に取得費と費用を確認できるようにしておくことが大切になります。まずはどのNFTをいつ取得し、どのように手放したのかを整理することから始めると、確定申告の準備も進めやすくなるでしょう。




     
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    本記事は執筆者の見解です。本記事の内容に関するお問い合わせは、株式会社Gtax(https://crypto-city.net/)までお願いいたします。

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    執筆者:藤村 大生
    株式会社Gtax 取締役
    税理士・公認会計士

    株式会社Gtaxにて暗号資産投資家の確定申告サポート、暗号資産事業者への経理支援を担当。暗号資産会計・税務に関する深い知見を有する。監査法人ではデューデリジェンスや原価計算導入コンサルティングに従事し、証券会社監査チームの主査として分別管理に関する検証業務も経験。