Market Report

マーケット情報・チャート

2022/04/12

ビットコインマーケットレポート(ビットコイン大暴落)
(2022年4月12日12時作成)




ビットコインは4/6から下落基調が続いており、現時点でもデリバティブ市場では買われすぎの状態が継続している。作成時点において、ビットコインは節目となる4万ドル/500万円を下回っている。

足もと
米連邦準備理事会(FRB)金融政策の議事録要旨(4/6)が公表されてから、量的緩和の急激な縮小懸念、金利の上昇、予想インフレ率(BE)の大幅低下等の要因により市場環境が大幅に悪化し、ビットコインは続落した。加えて今後の日程における①米国のタックスリターン(確定申告・4/18)、②米連邦公開市場委員会(FOMC・5/5)、③ロシア戦勝記念日(2-3月上昇の引き金となった、ウクライナ戦争の変化が推測される日・5/9)が意識されている可能性があり、ビットコインの下落に拍車をかけた。


デリバティブ市場
ビットコインは買われすぎの状態が継続している。加えて、全体的な未決済建玉(OI)は減少傾向であり、ビットコインからの資金流出が見られる。ただし、急激な価格変化に繋がりやすいアクティブOIの絶対量は4万ドルを下抜けしたあたりから急速に減少しており、デリバティブ市場の売りの連鎖を起因とする急激な下落は起こりにくい状況となっている。




オンチェーン動向
現物取引所への入出庫は、先月の上昇局面ではビットコイン出庫優位であったが、4/6以降は入庫優位へと変化している。




成行売買動向
現物の断続的な売りが続いている。特に節目となる4万ドルを下抜ける地点では、継続的な現物成行きの売りが見られた。




先物市場動向
CMEの先物市場においてもOIは減少傾向となっており、資金流出が見られる。トレーダーの種別を見ても、Asset Manager、Leveraged Fundsともにロングポジションを増やしており、以前よりショートカバーによる上昇は起きにくい状況にある。ただし、先物ETFが承認された昨年末ごろより、CMEの清算日(SQ・毎月最終金曜日)後に一時的に上昇することが多くなっており、価格差益を狙うと予想されるLeveraged Fundsのロングポジションの増加はそれを狙ったものである可能性がある。




外部環境
米国長期金利(US10Y)、短期金利(US02Y)はともに上昇基調であり、ビットコインには逆風となっている。一時は、不況の兆候とされる現象である、短期金利が長期金利を逆転する「逆イールド」の状態にもなった。加えて、これまで強かった米株価指数との相関も小さくなってきており(3月0.7前後→現在0.51<Nasdaq100>)、既存市場に対して独立した動きに近づいている。




ハッシュレート
ビットコインは下落基調であるものの目立った変動はなく、次回難易度調整予測は▲1.50%とほぼ横ばい。


総括
足もとの下落は、FOMC議事録要旨が市場予想よりタカ派であったことに起因する市場の環境悪化と、米国のタックスリターン(確定申告・4/18)が近づいていることによる納税対策売りが重なったことに由来した。先物市場においては、市場環境悪化に伴いビットコインは資金流出超となっており、当面は5/5のFOMC、および2-3月の上昇の引き金となったウクライナ戦争の変化が予想されるロシア戦勝記念日(5/9)を通過するまでビットコイン市場には重しがある状況である。

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