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9日前

ランサムウェアグループのビットコインアドレス6万件がハッキングで流出

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 悪名高いランサムウェア集団ロックビットを揺るがす大規模な侵害が発生し、ハッカーがダークウェブのアフィリエイト・パネルを改ざんし、大量の内部データをオンラインに流出させた後、6万近くのビットコインアドレスが漏洩した。

 2025年5月7日に確認されたサイバー攻撃は、ロックビットのダークウェブのインフラを標的とし、アフィリエイトの管理パネルを改ざんし、大規模な内部記録データベースを流出させた。

●何が起こったのか?

 攻撃者は、paneldb_dump.zipと題されたダウンロード可能なMySQLデータベースのダンプとともに、「罪を犯すな 犯罪は悪いことだ プラハより愛をこめて」というメッセージを残した。

 当初、脅威アクター(サイバー攻撃を行う主体のこと)であるレイによって指摘されたこの侵入は、サイバーセキュリティの専門家によって迅速に分析され、ロックビットのオペレーションに関する豊富な情報が発見された。

 ブリーピングコンピューターの報告によると、流出したデータにはランサムウェアのインフラ詳細の膨大なコレクションが含まれている。

 最も注目すべきは、ロックビットにリンクされた、5万9975のユニークなビットコインアドレスが流出したことだ。

 これらのアドレスは、身代金の支払いに関連していると考えられており、不正な資金の流れを区分し、曖昧にするためのロックビットの努力の一環として、それぞれのアドレスは通常、個々の被害者に割り当てられている。

 しかし、ロックビットの運営会社である「ロックビット・サップ」は、侵入を確認したものの、秘密鍵やその他の機密データが失われたことはないと主張した。

 追加データにより、ロックビットの関連会社が作成したランサムウェア構築の詳細なログの記録が明らかになった。

 これらの記録には、さまざまな攻撃で使用された技術的構成が記録されているだけでなく、ロックビットのオペレーターと被害者の間で交わされた4400件を超える交渉メッセージという、広範なチャットログも含まれている。

 また、漏洩したデータの中には、アフィリエイトパネルにアクセスできる75人の管理者やアフィリエイトを含むユーザー認証情報も含まれており、パスワードはプレーンテキストとして保存されていた。

 ロックビットのインフラに侵入するために使用された正確な方法はまだ不明である。

 だが、ブリーピングコンピューターは、ランサムウェア集団エベレストの最近のハッキングとの類似性を示唆しており、共通の攻撃者または手口である疑いが高まっている。

 同報告書は、サーバーがPHP8.1.2を実行していたことに言及している。

 PHP8.1.2はCVEー2024ー4577の脆弱性があることが知られており、この脆弱性はリモートコード実行を可能にする重大なエクスプロイトである。

●ロックビット帝国の崩壊 世界的な取り締まりと流出したデータ

 今回の情報流出による影響は広範囲に及びそうだ。

 法執行機関とブロックチェーン・フォレンジック・チームにとって、流出したビットコインアドレスとデータは、ランサムウェアの支払いを追跡し、ロックビットに関係する個人を特定する新たな機会を提供する可能性がある。

 この侵害はまた、「オペレーション・クロノス」によってすでに弱体化していたロックビットに深刻な風評被害をもたらす。

 24年初頭、米司法省、欧州警察機構(ユーロポール)、および世界中の法執行機関が主導した組織的な取り締まりにより、同社のインフラは一時的に解体された。

 この作戦により、ロックビットのランサムウェア活動に関連する、200以上の暗号資産口座がすでに凍結された。

 当局はポーランドとウクライナでロックビットの関係者2人を逮捕し、米国では2人の関係者が逮捕・起訴された。

 米国財務省外国資産管理室(OFAC)はまた、同グループに関連するビットコインとイーサのアドレス10件をブラックリストに掲載し、一部はクーコイン、バイナンス、コインスペイドなどの取引所への入金に関連していた。

 これらの制裁により、米国の事業体は関係する個人やウォレットとの取引を禁止されている。

 ロックビットが使用していたウェブサイトや身代金交渉パネルなどの主要インフラは、24年初めに押収された。

 1000以上の復号化キーが回収され、身代金を支払うことなく暗号化されたデータへのアクセスを回復できるよう被害者に配布されている。

 ロックビットのツールの主要な開発者であるロスティスラフ・パネフ氏はイスラエルで逮捕され、米国への身柄引き渡しを待っている。

 パネフ氏はグループのためにマルウェアやその他のソフトウェアを作成し、23万ドル以上の暗号資産を受け取ったとされている。

 彼の弁明では、彼はツールがどのように使われているか知らなかったと主張しているが、当局によると、彼はグループの活動を可能にする中心的な役割を果たしたという。

 19年から活動しているロックビットは、120カ国で2500人以上の被害者を攻撃し、全世界で1億2000万ドル以上を恐喝したと報告されている。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/hack-exposes-nearly-60000-bitcoin-addresses-linked-to-lockbit-ransomware-group/

This story originally appeared on cryptonews.com.

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