Market Report

マーケット情報

2024/04/15

暗号資産週間レポート(2024.4.7- 2024.4.13)
動乱の週、半減期と地政学リスクにより市場は混乱!?

【4/7~4/13週のサマリー】
BTC、次の半減期まで1週間を切る
・SECは大手分散型取引所「Uniswap」を運営する「Uniswap Labs」に対してWells Noticeを送付
・米3月消費者物価指数は市場予想を上回り、利下げ観測が後退
・イラン・イスラエルを発端とした地政学リスクの高まりにより暗号資産市場は大幅な下落


【暗号資産市場概況】
4/7~4/13週におけるBTC/JPYの週足終値は前週比-6.22%の9,720,000円、ETH/JPYの週足終値は同-10.43%の455,560円であった。(※終値は4/13の当社現物EOD[4/14 6:59:59]レートMid値)。
先週の暗号資産市場は、ビットコインの対円史上最高値更新の一方、地政学リスクによる大幅な下落もあり、上下約$12,000幅の値動きを見せボラティリティが高い週となった。
週初、ビットコインはショートカバーを巻き込みながら3月中旬以来となる$72,700付近まで上昇。ビットコイン円では円安の影響もあり、1,100万円に到達し史上最高値を更新。上昇の背景には好調なビットコインETFフローと米GenesisのGBTC売却完了& 32,041BTCの購入との報道により、市場参加者の心理にポジティブな影響を与えたことが推測される。
週央、4月8日のビットコイン現物ETFの売買結果が大規模な資金流出と確認されるとビットコインは69,000ドルを割り込む展開に。9日は米3月消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回り、FRBの利下げ回数が従来の2~3回から2回、あるいは1回と予想する金融機関も出現。また、利下げ開始時期についても従来の6月から後ろにずれることがコンセンサスとなった。一方で11日に発表された米3月生産者物価指数(PPI)から今月下旬に発表される米3月PCEコア・デフレーターの値が弱くなることが想定され、暗号資産は全般的に底堅い値動きを見せた。
週末、CPIとPPIを切り抜け順調に推移していくかと思われたが、12日夜の中東情勢悪化の報道により大きな精算を伴いながら$65,000付近まで下落。翌13日未明から14日朝方にかけてはさらなる情勢悪化の懸念から$61,000ドル台半ばまで続落。休日中のため他市場がクローズしていた中で、暗号資産市場がオープンしていたことにより大きな下落につながった可能性があるだろう。週末の価格変動により暗号資産情報サイトでは多くのポジションの精算が確認されている。金融市場全般は地政学リスクに関するニュースに敏感となっており、X(Twitter)上に流れる情報も不正確なものも散見されるためポジション管理には十分に注意されたい。
今週はいよいよ4年に1度のビットコインの半減期が到来する。到達予想は先週と同じく4月20日のコンセンサスが継続されている。今回の半減期は土曜日(予想)のため流動性が平日に比べると少ない。半減期到達の前後では市場が混乱する可能性があるため、前述の地政学リスクに関するニュースとあわせて急激な価格変動には注意されたい。


[BTC/USD週間チャート(30分足)]

(TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)



[BTC/JPY週間チャート(30分足)]

(TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)





【4/7~4/13週の主な出来事】



【4/14~4/20週の主な予定】


【今週のひとこと】採掘難易度(Mining Difficulty)
今週4月10日にビットコインの採掘難易度が過去最高の86兆に到達しました。 ビットコインに関するニュースで度々目にする言葉が「採掘難易度(Mining Difficulty)」です。採掘難易度とは、ビットコインをマイニング(採掘)する際に、ブロックを生成する難易度のことです。採掘難易度は約2週間ごとに見直されており、2週間の間にブロックの平均生成速度が10分より短ければ難易度が上昇し、長ければ難易度が自動で下降します。
ビットコインのマイニング報酬は今週に予想されている半減期の到来によって6.25BTCから3.125BTCに半減します。半減期の前後でビットコインの価格に変化がない場合、報酬の半減によってマイニング事業者のコストが上昇していることが推測されます。そうしたことから、半減期の前後の採掘難易度の変化を確認することにより、マイニング事業者の運営状況が明らかになる可能性があるでしょう。

(SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成)


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