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Web3とは
Web3とは、ブロックチェーン技術を活用した「分散型インターネット(分散型Web)」です。
中央の管理者(銀行など)を介さず、個人間で直接取引ができる技術として、さまざまな分野で実用化が進んでいます。
経済産業省では、Web3を以下のように定義しています。
「ブロックチェーン上で、暗号資産等のトークンを媒体として『価値の共創・保有・交換』を行う経済」
つまり、Web3の仕組みを理解することは、暗号資産がなぜ価値を持つのかという本質を理解することと同義です。
この記事では、Web3と従来のインターネットとの違いや、注目されている理由、具体的な活用事例をわかりやすく解説します。
---【豆知識】---
Web3と混同されやすい言葉に「Web3.0」がありますが、両者は本来、異なる概念です。
Web3.0:1999年にティム・バーナーズ=リー氏が提唱した「セマンティックWeb」。
データの意味を機械が理解しやすくすることで、検索や情報連携を高度化する構想です。
Web3:2014年にギャビン・ウッド氏が提唱した「分散型Web」。
ブロックチェーンを基盤とし、中央管理者に依存しないネットワークの実現を目指します。
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当初はWeb3を「Web3.0」と表記する例もありましたが、現在では分散型インターネットの文脈では「Web3」という呼称が一般的です。
この記事で扱うWeb3も、ギャビン・ウッド氏が提唱した分散型WebとしてのWeb3を指します。
Web1.0・Web2.0との違い
Webの進化は、「ユーザーができること」の変遷で見ると非常にわかりやすくなります。
キーワードは、Read(読む)、Write(書く)、そしてOwn(所有する)です。
Web1.0:Read(読む)
- ホームページの閲覧という一方通行の情報発信。
- ユーザーは掲載された情報を「読む」だけで発信はできなかった。
Web2.0:Read + Write(読む + 書く)
- 双方向のコミュニケーションが特徴。SNSなどの普及により、誰もが情報を「発信」できるようになった。
- 便利になった反面、個人情報や行動データが特定のプラットフォーム企業に独占・集中管理されるようになった。
Web3:Read + Write + Own(読む + 書く + 所有する)
- データや価値を自分で「所有」する時代へ。
- ブロックチェーン技術により、デジタルデータを特定の企業のサーバーではなく、個人の資産として自身で保有・管理できるようになった。
Web3の技術的特徴
Web3はブロックチェーン技術によって実現されたネットワークであり、主に以下の特徴があります。
1. 非中央集権化(Decentralization)
特定の管理者や中央サーバーが存在せず、ネットワークに参加する多数のコンピューターによって分散管理されています。
権限が集中しないため、特定企業の都合によるサービス停止や検閲を防ぎやすくなります。
2. 相互検証可能な透明性(Transparency)
ブロックチェーン上の取引データは公開されており、誰でも履歴を検証可能です。
特定の相手を信用しなくても、技術的な仕組みによって取引の正当性が保証されます。
3. 耐改ざん性(Immutability)
一度記録されたデータを後から書き換えることが極めて困難です。
これにより、履歴の信頼性が高く保たれます。
4. 自律性(Autonomy)
「スマートコントラクト」と呼ばれる技術により、あらかじめ決められたルールに従って取引が自動的に実行されます。
例えば「代金が振り込まれたら、即座にデジタル商品を渡す」といった処理がプログラムによって自動化されるため、仲介者がいなくても効率的なサービス運用が可能になります。
Web3が注目されている理由
Web3が注目されているのは、既存のインターネット(Web2.0)の課題解決と、新たなメリットをもたらす可能性があるからです。
・改ざん耐性と継続性への期待
ブロックチェーンは耐改ざん性が高く、単一の管理者に依存しないため、データの信頼性や、サービスが停止しにくい構造(ゼロダウンタイム)が期待されています。
・仲介者を必要としない直接取引が可能
これまでは送金や取引に銀行やプラットフォームなどの仲介が必要でした。
Web3ではユーザー同士が直接通信(P2P)できるため、仲介手数料を削減し、国境を超えたスピーディーなやり取りが可能になります。
・自己主権的なデータ管理
ユーザー自身がデータやプライバシーの「主権」を持ちます。
これまではプラットフォーム企業にIDや個人情報を管理されていましたが、Web3では自分自身でIDを管理します。
そのため、許可なく第三者にデータを利用されにくく、プラットフォームに依存しすぎない利用形態が実現します。
Web3の事例
Web3の概念は、すでに実際のサービスとして形になり始めています。
NFT
NFTは、「替えが効かない、世界に一つだけのデジタルデータ」です。
ブロックチェーンで「鑑定書」のような情報を記録することで、コピー可能なデータでも「これが本物」と証明しやすくなりました。
主な活用例:
- デジタルアート: デジタル作品が「資産」として売買される。
- 推し活・デジタルグッズ: コレクションや、限定コミュニティへの参加証として利用される。
- 「モノ」とつながる体験: 実物の商品と連動させたり、宿泊権などの「権利」を売買可能にする。
▶関連記事:
NFTとは|世界に一つだけのデジタルデータ
NFTの始め方と買い方|初心者でも迷わない、NFT購入までの基本ステップと注意点
ブロックチェーンゲーム
ブロックチェーンゲームは、ゲーム内のアイテムや通貨を「資産」として所有できる新しいゲームです。
従来はサービス終了と共に消えていたデータが、NFTとして個人のウォレットに残る場合があり、自由に売買して現実の利益を得る仕組みを持つものもあります。
※ただし、運営側によってメタデータやコンテンツデータ(画像等)が削除されてしまった場合は、NFTも消失してしまいます。
特徴:
- アイテムの自己管理:運営会社ではなく自分のウォレットでID(トークンの識別情報)として管理ができ、サービス終了後もデータが手元に残り、活用できる場合がある。
- X to Earn(◯◯して稼ぐ): ゲームプレイ(Play)や移動(Move)などの活動を通じてトークンを獲得し、収益化できる仕組み。
分散型金融(DeFi)
DeFiとは、銀行や証券会社といった金融機関を通さずに利用できる金融サービスです。
「スマートコントラクト(自動契約プログラム)」が仲介役となるため、人件費や手数料を抑えやすく、スマホ一台で世界中どこからでもアクセスできます。
主な活用例:
- 貸し借り(レンディング): 暗号資産を預けて利息を得たり、担保にしてお金を借りたりする。
- 分散型取引所(DEX): ユーザー同士で直接、暗号資産の交換を行う。
まとめ:Web3は「次世代のインフラ」へ
ここまで、Web3の仕組みや特徴、具体的な事例について解説しました。
少し難しく感じる部分もあったかもしれませんが、重要なのはインターネットが「見る・書く」時代から「所有する」時代へ進化した、という大きな流れを理解することです。
かつて私たちがスマートフォンやSNSの登場に驚き、やがて生活の一部として使うようになったように、Web3の技術もインフラとして社会に溶け込んでいくかもしれません。
暗号資産やWeb3を学ぶことは、この新しい時代の仕組みを理解し、可能性を広げるための第一歩です。まずは興味のある分野から、少しずつ情報に触れてみてください。
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※本コンテンツは暗号資産(仮想通貨)及び電子決済手段等の情報提供のみを目的としたものであり、投資や取引を推奨するものではありません。また、記載内容は執筆時点の一般情報に基づいており、将来の価格動向を示唆するものではありません。
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