【2026年最新】Solana(ソラナ/SOL)の現状:R3 Cordaとの提携が示す、TradFiとDeFiをつなぐハイブリッド構造

公開日: 2026年2月27日

最終更新日: -

▼目次


    Solana(ソラナ)を機関投資家の決済・RWA基盤として活用する動きが広がっています。
    J.P.モルガン、Visa、BlackRockに続き、2025年12月にはエンタープライズブロックチェーン開発のR3がSolana(ソラナ)上でRWAプラットフォームを展開すると発表しました。
     
    R3は銀行間コンソーシアム発の許可型ブロックチェーンのベンダーで、パブリックチェーンへの本格進出は今回が初となります。
    Solana(ソラナ)上で「規制対応」と「オンチェーン流動性」を両立するインフラを構築しようとしています。
     
    本レポートでは、R3が発表したCorda Protocol(コルダ・プロトコル)の仕組み、提携の背景、そしてTradFi-DeFi接続のアーキテクチャについて整理します。
     
    用語注: 本レポートの「Corda Protocol」はSolana(ソラナ)上の新プロトコルを指し、R3の許可型DLT「Corda」とは区別します。

    Corda ProtocolとCordaマーケットプレイスの概要

    R3が発表したCorda Protocol(コルダ・プロトコル)は、Solana(ソラナ)上で展開される実世界資産(RWA)連動の利回り提供プラットフォームです。
    これは伝統的な金融資産を裏付けとしたキュレーション型の利回りボールトであり、プロレベルの資産運用者が管理する利回り商品をDeFi(分散型金融)にもたらすと謳われています。
     
    Corda ProtocolはSolanaブロックチェーン上にネイティブに構築されており、Solana(ソラナ)のDeFiエコシステムと統合される設計です(ただし規制対応設計により利用範囲が制約される可能性があります)。
     
    仕組みとしては以下のようになります。

    • 利用者はステーブルコインなどのデジタル資産をボールトに預け入れ、代わりにボールトトークンを受け取る(流動性は設計・償還条件に依存)
    • ボールトトークンは、それぞれのボールトが持つ伝統資産ポートフォリオのリスク・リターンに応じた利息を生み出し、DeFi市場で貸付やループ運用などに再利用することも想定(規制対応の強度次第で制約され得る)


    図1: Yield Vaultの資金フロー図
     
    R3は、この仕組みにより「機関投資家向けに限られていた資産や利回りを一般の暗号資産(仮想通貨)投資家が享受できるようになる」と謳っています。

    Corda Protocolの位置づけ

    Corda Protocol(コルダ・プロトコル)は「規制対応RWAマーケットプレイス」として位置づけられており、伝統的な発行体(資産を提供し利回りを求める側)とオンチェーン資本(運用先を求めるDeFi投資家側)を直接結びつけるハブとなります。
     
    図2: Cordaマーケットプレイスの三者構造図
     
    R3は2025年12月に発表し(Breakpoint 2025のタイミング)、2026年前半の本格ローンチに向け現在テストとパートナー連携が進められています。
    Cordaマーケットプレイス上では、例えば伝統的な金融機関や企業がトークン化した社債・不動産ローン・商業手形などをボールト商品として提供し、暗号資産の投資家はそれらにステーブルコインを投じることで実物資産由来の利息収入を得られるようになります。
     
    Corda ProtocolはR3が設立した独立財団R3 Foundationによってガバナンスされ、R3傘下のR3 Labsが技術提供を担っています。
    初期パートナーにはSolana(ソラナ)のDeFiプロジェクトであるKaminoや、米国地方債のオンチェーン化を手掛けるAlphaLedger、住宅ローン保険大手のRadianなどが名を連ねており、TradFiとDeFiの接続基盤として幅広い分野の協業が期待されています。

    提携の背景と戦略的狙い

    今回のR3とSolana(ソラナ)の提携は、従来型金融(TradFi)と分散型金融(DeFi)の融合という大きな潮流の中で位置づけられる戦略的動きです。
    R3は元々、銀行間コンソーシアムから発足した企業向けブロックチェーンのリーダーであり、プライベート型台帳「Corda」を通じて世界各国の金融市場インフラや銀行で実用ネットワークを運営してきました。
     
    R3創業者のデイビッド・ラッター氏は「これは業界全体にとって戦略的な再調整であり、長年培った我々の経験と金融機関ネットワークをソラナという最良の公共エコシステムと結びつけ、新たな公共の未来へ踏み出すものだ」と述べ、この提携の意義を強調しています。
    一方、Solana(ソラナ)側も本提携を歓迎し、Solana FoundationのLily Liu(President)がR3の取締役会に加わるなど組織面でも連携を深めています。
     
    R3がSolana(ソラナ)を選んだ理由としては、Solana(ソラナ)の高スループット・低手数料という特性、および活発な開発者コミュニティが挙げられています。

    TradFiとDeFiを接続するハイブリッド構造

    R3とSolana(ソラナ)の提携によって実現されるアーキテクチャは、パブリックとプライベート双方の長所を組み合わせたハイブリッド構造です。
    具体的には、R3の持つエンタープライズ向けブロックチェーン「Corda」のネットワークと、Solana(ソラナ)のパブリックチェーンがネイティブに相互運用できる仕組みが構築されます。
     
    従来、異なる台帳間の連携はブリッジやラップトークン等を用いる間接的な形が主でしたが、R3は、R3-SolanaモデルではCorda上のプライベート取引をSolana(ソラナ)メインネット上で直接検証・確定できると説明しています(信頼モデルは実装・運用設計に依存)。
     
    またR3側のCordaプラットフォームが持つアイデンティティ管理やプライバシー保護、コンプライアンス対応機能をSolana(ソラナ)上に拡張する仕組みも提供されます。
     言い換えれば、伝統金融機関は従来の許可型チェーンで期待されるような厳格な参加者識別や取引の秘匿性を保ちつつ、Solana(ソラナ)というオープンネットワーク上で資産発行・取引ができるのです。

    図3: ハイブリッドアーキテクチャ概念図

    想定されるユースケース

    DeFi投資家は前述の利回りボールトを通じて、暗号資産(仮想通貨)価格とは相対的に低相関になり得る利回りをポートフォリオに組み込む選択肢が得られます(ただし金利・信用環境の影響は受けます)。
    TradFi側にとっては、地理的制約なく24時間アクセス可能な資金調達経路となります。
     
    なお、R3/Cordaとは別の動きとして、Visa(USDC決済基盤、2023年)、BlackRock(BUIDLのSolana対応、2025年)、J.P.モルガン(Galaxy Digital商業手形の決済、2025年)など大手金融機関のSolana(ソラナ)活用が既に始まっています。
    Cordaマーケットプレイスはこの流れに乗る形で、規制対応の利回り商品を提供する位置づけです。

    主要リスク

    • 信用リスク: 裏付け資産のデフォルトや発行体の倒産により元本が毀損する可能性
    • 流動性リスク: ボールトトークンの二次市場流動性は未知数、償還条件に制約がある場合あり
    • 法的構造リスク: トークン保有者の権利が伝統証券と同等かは各商品・法域による
    • スマートコントラクト・運用リスク: バグや運用上のミスによる損失可能性
    • 規制リスク: 米国・各国のデジタル証券規制は流動的であり、利用可能範囲が変更される可能性

    結論

    R3とSolana(ソラナ)の提携は、TradFiとDeFi(分散型金融)の融合を具体化する重要な一歩です。
    RWAトークン化市場は複数チェーンに分散しており、流動性の分断が課題となっています。
    Corda Protocol(コルダ・プロトコル)は「規制対応の利回りインフラ」を謳い、この課題に取り組もうとしています。
     
    R3の金融機関ネットワークと規制対応ノウハウ、Solana(ソラナ)の高速・低コストなインフラ。
    この2つの強みを接続することで、伝統金融の資産とDeFiの流動性を結びつける基盤を目指しています。
     
    ただし、R3のパブリックチェーン進出は今回が初であり、実績はこれからの段階です。
    米議会でのデジタル証券法制整備(2026年見通し)など規制環境も流動的であり、提携の成否は今後の展開次第と言えます。

    【参考文献】
    ●R3, "Introducing Corda Protocol: Curated Yield Vaults on Solana," December 2025
    ●R3, "R3 Signals Strategic Shift to Lead the Convergence of Public and Private Blockchains," May 2025
    ●R3, "R3 x Solana: Connecting Capital Markets to DeFi," 2025
    ●CoinDesk, "R3 Bets on Solana to Bring Institutional Yield Onchain," January 2026
    ●The Block, "R3, Builder of Permissioned Corda Blockchain, to Enter Public 'Internet Capital Markets' Through Solana," 2025
    ●Corda Protocol, "Official Site," 2025
     
      

    【ご注意事項】
    本記事は執筆者の見解です。本記事の内容に関するお問い合わせは、株式会社HashHub(https://hashhub.tokyo/)までお願いいたします。また、HashHub Researchの各種レポート(https://hashhub-research.com/)もご参照ください。

    提供:HashHub Research
    執筆者:HashHub Research